3月20日、宮川家、近藤家の菩提寺 大沢山龍源寺へお墓参りに行きました。
この日、天気も良く、檀家の皆さんも大勢がお墓参りに見えていました。
日頃はひっそりしているお墓も、今日ばかりは綺麗なお花や、お線香のほのかな香りにつつまれ、ご先祖の方々も心安らかに過ごされているようでした。
帰りに、勇の生家跡や近藤撥雲館道場を廻りました。
この撥雲館道場は昭和の初め頃、祖父の半助が裏山の大木を切り出させ、門人だった大工や職人を督励して製材し、建てたものです。 その後、何回か手入れを施し、今日に至っております。 しっかりと保存したいものです。
祖母の話ですと、毎冬の寒稽古は、まだ真っ暗い朝の4時頃から門人が集って、 「ヤットー! ヤットー!」 と大きな声を出して稽古をしており、その声が道を隔てた宮川の家まで響いていたそうです。
道場に入れない門人は、待っていると寒いので、前庭に裸足で出て10cmもある霜柱を踏み倒ながら稽古したようです。
この 「ヤットー」 の声を聞くと間もなく、 「寒」 も明け、そろそろ野良仕事の準備にはいったと聞きました。
祖母の懐かしい話が思い出されました。祖母は、孫の私を殊のほか、大事に可愛がってくれていましたので。
帰り際に、 「有難うよ!。本家の墓参りはいつも嬉しい。」 と勇の声が竹藪の小枝をゆらして聞こえました。 また、 「勇武館も、門人が増えたが稽古が大事だなぁー。おめぇーも稽古しなきゃーだめだべぇー」 と、叱責されたような身ぶるいを憶えました。 でもみていてくれて、うれしかったですね。