平成31年4月7日、勇武館は、甲府 武田神社武技奉納之会で天然理心流をご披露しました。

 4月7日、勇武館は甲府 武田神社 甲陽武能殿で行われました、武技奉納之会で初めて、天然理心流をご披露しました。

 午前9時半より、本殿にて厳かな神事の後、武技奉納之会が始まりました。

 甲府は、天然理心流とも大変、縁の深いところです。鹿島新當流創始者で、剣聖と言われた塚原卜伝は、武田家と親交があり、かの川中島の戦いがあった弘治・永禄の1550年代、甲府に逗留し家臣達に剣術を指南するかたわら、信玄公の御前で新當流を披露し、「正に、剣聖にふさわしい」と称賛され、親しく歓談したと伝えられています。

 下って、江戸時代後期の寛政年間(1700年代)、遠江の剣客、近藤内蔵之助長裕は剣術修行で諸国遊歴の折、鹿島新當流を学び、自ら天然理心流を創始しました。

 また、武田勝頼なきあと、武田家家臣の多くは徳川家康を慕い、八王子千人同心として仕えました。

 八王子を中心に、多摩にはご子孫がたくさんいらっしゃいます。天然理心流の宗家は、代々、ご子孫達へ 天然理心流を指南しています。

 いわば、甲府は新選組の、天然理心流の源流と言っても過言ではありません。

 慶応4年(1868年)3月、近藤達は、甲陽鎮撫隊を組織し徳川恩顧の地、甲府を目指し進軍し、甲府盆地を見下ろす勝沼柏尾山に陣を敷き、板垣退助率いる西軍と戦いました。 戦いはお昼頃より始まり、近藤達も善戦しましたが、利あらず敗退しました。

 あの時から151年後の本日、勇武館が初めて甲府の地に入り、武田神社甲陽武能殿にて、天然理心流をご披露出来ました事は、古よりの深いご縁の賜物で、武田神社、主催者、関係者のお力添えによるものです。また、八王子千人同心、とりわけ天然理心流を学んだ、ご先祖の方々、近藤勇、新選組隊士達の永年の願いが、漸く叶ったものと、私共一同、心して演武させていただきました。

 演武は上々の出来栄えでした。八王子千人同心ご先祖の方々、近藤達の安堵した心が、声がひしひしと伝わって参りました。

 これからも、勇武館は毎年、武田神社甲陽武能殿にて、天然理心流を奉納し、先人達の霊を御慰みしてまいります。

 武田神社、関係者の皆様、本日は、誠に有難うご座いました。  来年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

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