9月6日、霧雨の中、初めて横須賀にまいり、遊覧船にて軍港巡りをして参りました。
9月6日、秋雨前線による霧雨の降る中、思いきって、一度は見て置きたい横須賀軍港めぐりに行って来ました。遊覧船に乗船して、港内を40分かけて一周します。
港内には、海上自衛艦をはじめ、アメリカ、フランス、オーストラリア等外国軍艦も停泊しており、明治以降150年以上たった今でも、横須賀軍港は国際的にも重要な軍事施設である事を実感しました。
私にとりまして、本日の軍港めぐりは別の期待もありました。
徳川幕府は、幕末期7回にもわたり、アメリカ、イギリス等、米欧先進諸国へ使節団を派遣しました。
参加した幕臣、諸藩士達が、政治、経済、文化、軍事、社会制度等を視察、研究し、その貴重な体験が後の日本人の視野を広げたのみならず、日本の近代化に多大な貢献をもたらした事はまぎれもない歴史的事実です。
特に、「幕末の3俊」と言われた1人、時の勘定奉行 小栗上野介忠順はアメリカ視察より帰国直後、欧米列強の圧力から日本を守る為、地の利にすぐれた横須賀に製鉄所が必要と熱心に幕府に進言し、ようやくフランス人技師のヴェルニー氏の指導のもと、製鉄所の建設が始まりました。が、間もなく徳川幕府は終焉し、新政府は将来の日本を背負って立つであろう小栗上野介を捕らえ、問答無用のごとく斬首してしまいました。誠に残念です。
海上から軍港を見渡すと当時、開発された第一、第二、第三ドックは今も健在で、活用されていますね。
小栗の後を継いだ人達の尽力にもよりますが、道を拓いた彼の功績は忘れられることなく、今も高く評価せれています。
帰りに立ち寄ったヴェルニー記念館には、製鉄所完成当時の工作機械、器具、スチームハンマー、文献、写真など数多くの重要資料が展示され往時に思いをはせる事ができます。
JR横須賀駅前にあるヴェルニー公園はフランス式庭園様式が取り入れてあり、素敵なたたずまいです。
この庭園では、毎年、日本の近代化にとって重要な役割を果たした横須賀製鉄所、造船所、港湾施設、灯台などの建設に貢献した幕府勘定奉行 小栗上野介とフランス人技師フランソワ・レオンス・ヴェルニー氏を偲ぶ式典が行われています。(今年は11月11日(土)午後2時より。詳しくは主催者に問い合わせして下さい)
過去には、皇族方をはじめ、外務大臣、フランス大使など多数の関係者が出席された様です。 私は、小栗上野介が好きですから何ともうれしいですね。
小雨の降る中、庭園にあるカフェレストランで「よこすかカレー」とホットコーヒーをいただき、帰宅しました。